ベリー 五十音順 説明(1)


アヴィニオンベリー Avignon berry

  学名:Rhamnus saxatilis
  科属:クロウメモドキ科クロウメモドキ属
  和名:
  別称:French berry、Persian berry、yellow berry
  分布:中、南欧
  事項:落葉樹、低木(2mまで)でよく分枝。両性花。葉は10-25 x 5-15 mm。
      ベリーは5mm程度。
      未熟果は黄色染料として利用された。穏やかな毒性がありうる。  
      日本ではクロウメモドキ属ではクロウメモドキ(Rhamnus japonica)が見られる。
      クロウメモドキ属は核果。

Rhamnus saxatilisの花と果実

アサイベリー acai berry

  学名:Euterpe oleracea
  科属:ヤシ科エウテルペ属
  和名:ワカバキャベツヤシ
  分布:熱帯中南米
  事項:木はアサイパームと呼び、大木で大きいものでは25mを越し、羽状の葉は3mにも達することがある。
     果実の需要が広がり果実採取のため栽培されている。実の外見はブルーベリーに類似。
     果実は核果で25mm程度。肉厚は1mm以下で7〜10mmの大きな種を1個もつ。
  
          木                      果実                 果実


アップルベリー apple berry

  トベラ科ビラルディエラ(Billardiera)属のいくつかの種がアップルベリーと呼ばれる。
  ビラーディエラ属はオーストラリア固有の小さなつる性の低木。果実は漿果。

  主な種。

   学名:Billardiera cymosa 通称: sweet apple-berry
   学名:Billardiera longiflora  通称:purple apple-berry
   学名:Billardiera scandens 通称:apple-berry
   
Billardiera longifloraの果実  Billardiera scandensの果実


アムラベリー amla berry

  学名:Phyllanthus emblica
  科属:コミカンソウ科コミカンソウ属
  和名:ユカン
  別称:Indian gooseberry
  分布:インドから東南アジア
  事項:アムラとも呼ばれ通常落葉樹、1〜8mの小ないし中程度の高さの木、花は緑から黄色。果実は核果。
  インドでは聖なる木とされ食用、薬用に利用。

Phyllanthus emblicaの花の芽     木になっている果実           果実                  


アンデスベリー Andes berry

 学名:Rubus glaucus
 科属:バラ科キイチゴ属
 和名:
 別称:Mora de Castilla、Andean Raspberry
 分布:ラテンアメリカ、メキシコ南部からボリビア。
 事項:ブラックベリー種。トゲがある、半直立匍匐性、果実は径15〜25mm。

Rubus glaucusの花と果実(未熟果と熟果)


イエローベリー yellow berry

 学名:Rubus ellipticus
 科属:バラ科キイチゴ属
 和名:キミノヒマラヤイチゴ
 別称:golden Himalayan raspberry
 分布:中国、ネパール、インド亜大陸、ベトナム、フィリピン原産。
 事項:トゲのある低木

Rubus ellipticusの花と果実

 学名:Rubus chamaemorus(参照→クラウドベリー)もイエローベリーと称されることがある。


インクベリー inkberry

 いくつかの植物がインクベリーと呼ばれる。

  ヤマゴボウ科ヤマゴボウ(Phytolacca)属に属する植物、特に学名:Phytolacca americana(和名:ヨシュウヤマゴボウ)。
  別称:ポークベリーpokeberry 。
  ベリーは人間には有害だが鳥は食べる。

Phytolacca americanaの熟した果実

  ススキノキ科キスゲ亜科キキョウラン(Dianella)属
   学名:Dianella nigra 分布:ニュージーランドにみられる。

  モチノキ科モチノキ属の以下のもの。別称:ウィンターベリー(winterberry)
   学名:Ilex glabra
   学名:Ilex verticillata

  クサトベラ科クサトベラ(Scaevola)属
   学名:Scaevola plumieri 別称:ビーチベリー(beachberry)

  ナス科キチョウジ属
   学名:Cestrum parqui 参照→ポイズンベリー

   学名:Cestrum laevigatum
   分布:南米原産
   事項:高さ1〜16mの多分岐枝性、花は緑から黄色で筒状で長さ5〜25mm。果実は10mm×5mmで熟すると紫から黒。

 
Dianella nigraの花と果実               Cestrum laevigatumの花


インディゴベリー indigoberry

  アカネ科ミサオノキ属Randiaがインディゴベリーと称される。灌木。

  主な種

   学名:Randia aculeata 通称:white indigoberry   
                フロリダからコロンビアまで、カリブの島々や中南米原産。ベリーは白色。
   学名:Randia portoricensis 通称:Puerto Rico Indigoberry
   学名:Randia parvifolia 通称:smallflower Indigoberry

Randia aculeataの花と果実

 *ミサオノキはAidia cochinchinensisとしてアイディア属に移行しているのでランディア属は何というのでしょうか。

ウィンターベリー winterberry

  モチノキ科モチノキ属Ilex のいくつかの種がウィンターベリーと呼ばれる。主に装飾用。核果。
   学名:Ilex verticillata 通称:American Winterberry   別称:coralberry、inkberry
   学名:Ilex serrata 通称:Japanese Winterberry  和名:ウメモドキ
   学名:Ilex montana 通称:Mountain Winterberry
   学名:Ilex glabra 通称:Evergreen Winterberry 別称:gallberry、 inkberry
 
Ilex verticillataの花          Ilex verticillataの熟果            Ilex glabraの果実


ウメモドキの花              ウメモドキの熟果


ウースタベリー worcesterberry

  スグリ科スグリ属の学名:Ribes divaricatumの英国での通称、一般的にはグースベリーgooseberry。

Ribes divaricatumの花


ウォーターベリー waterberry

  フトモモ科フトモモ(シジギウムSyzygium)属のいくつかの種がウォーターベリーと呼ばれる。
   学名:Syzygium guineense アフリカ産、葉と果実は食べられる。
   学名:Syzygium cordatum 8−15mになる常緑樹。南アフリカ北辺沿岸地帯〜モザンビークに分布。

Syzygium cordatumの花      Syzygium cordatumの果実    


ウォーターメロンベリー watermelon berry

  学名:Streptopus amplexifolius
  科属:ユリ科タケシマラン属
  和名:オオバタケシマラン
  別称:twistedstalk
  分布:北米、ヨーロッパ、アジア原産。
  事項:草本多年生植物。高さ0.4〜1mに成長。果実は径10mm程度。

Streptopus amplexifoliusの花と果実


ウォンバットベリー wombat berry

  学名:Eustrephus latifolius
  科属:キジカクシ科ロマンドラ亜科ユーストレフス属
  和名:
  分布:マレーシア、太平洋諸島、東オーストラリア
  事項:常緑のつる性植物。果実は黄色からオレンジの刮ハで径1〜2cm、黒い種子に白い仮種皮(aril)。

          花          未熟果と熟果            葉


ウグニベリー ugniberry 

 学名:Ugni molinae
 科属:フトモモ科ウグニ属
 和名:
 別称:Chilean guava、strawberry myrtle、tazziberry、New Zealand cranberry
 分布:チリと隣接するアルゼンチン南部原産。
 事項:常緑樹で高さ30〜170cm、果実は漿果で径5〜15mm程度で赤。

Ugni molinaeの花と果実


ウルフベリー wolfberry

  ナス科クコ(Lycium)属の植物の通称。果実は漿果。高さ1〜4mに達する。
  主な種

   学名:Lycium chinense 通称:枸杞(クコ)、goji berry  東アジア原産。
   学名:Lycium barbarum 通称:Chinese wolfberry、寧夏枸杞、goji berry

     クコの花          クコの実

   学名:Lycium andersonii 通称:Anderson wolfberry、squawberry 分布:米国南西部からメキシコ北西部原産
   学名:Lycium berlandieri 通称:Berlandier wolfberry 分布:米国南西部からメキシコ原産
   学名:Lycium cooperi 通称:Cooper's wolfberry 分布:米国南西部 事項:トゲがあり、高さ4mに達する。
   学名:Lycium macrodon 通称:desert wolfberry 分布:米国南西部からメキシコ北西部原産


Lycium andersoniiの葉と花


エミュベリー emu-berry

 シナノキ科ウオトリギ(Grewia)属のいくつかの植物と学名:Podocarpus drouynianusがエミュベリーと称される。
 Grewia occidentalisはクロスベリー

  学名:Grewia retusifolia
  学名:Grewia latifolia
   いずれも北オーストリア原産の低木。メシベの柱頭は4分裂。果実は核果で2〜4に分割され毛を有する。(クロスベリーに似ている。)
   果実は褐色で1cm前後の大きさで食べられる。

 
Grewia retusifoliaの花と果実               Grewia latifoliaの姿と花と果実

  学名:Podocarpus drouynianus
  科属:マキ科マキ属
  分布:西オーストラリア原産。
  事項:〜3mの低木で根元から多数の枝が分岐して生える。葉は針状、果実(球果)は種子は12-20 × 8-12 mmの大きさで
     緑のエピマティウムで覆われ、下部に熟すると紫色の20-25 × 10-13 mmの大きさの肉質の花托を有する。

Podocarpus drouynianusの木の全景            実(florabase


エルダーベリー elderberry

  レンプクソウ科ニワトコ属(Sambucus)の種々な種がエルダーベリーと称される。果実は漿果。
  主なものは
   学名:Sambucus canadensis 通称:American black elderberry 和名:アメリカニワトコ
                    北米から中米原産、果実は暗い紫から黒で3〜5mmの大きさ。

Sambucus canadensisの果実

  学名:Sambucus cerulea 通称:blue elderberry 分布:カナダ南部からメキシコ北西部までの太平洋沿岸原産。
                   事項:果実は青い黒で粉をひいたように見える。4−6mmの大きさ。

Sambucus ceruleaの果実

   学名:Sambucus pubens 通称:red elderberry 分布:北米東部原産。 
                      事項:Sambucus racemosaとみなされることもある。生では有毒だが調理で可食。
   学名:Sambucus racemosa 通称:red elderberry 和名:セイヨウアカミニワトコ 分布:ヨーロッパ、温暖北アジア、北米原産。 
                      事項:2〜6mに達する灌木。果実は明るい赤、時には紫。

Sambucus racemosaの花   Sambucus racemosaの果実      

   学名:Sambucus ebulus 通称:dwarf elderberry 
                   事項:南・中央ヨーロッパ、西南アジア原産。高さ1〜2m、花は白、時にはピンク。果実は黒で5−6mm。
   学名:Sambucus gaudichaudiana 通称:white elderberry 事項:南東オーストラリア原産、花は白、3〜6mmの白い果実。

Sambucus gaudichaudianaの花

   学名:Sambucus australasica 通称:yellow elderberry  
                   事項:東部オーストラリア原産、果実は黄色からオレンジで5mm程度。

Sambucus australasicaの果実

   学名:Sambucus nigra 通称:European elderberry、European black elderberry   セイヨウニワトコ  
                   分布:ヨーロッパ、北米原産。
                   事項:6m程度まで成長、花はアイヴォリーホワイト、果実は暗い紫で3〜5mm。
                   未熟果は穏やかな毒性がある。ジャム等加工して利用。鳥類の重要な食糧。

Sambucus nigraの花                                       Sambucus nigraの果実                

  日本のニワトコ属(Sambucus)の種の例
   学名:Sambucus sieboldiana 和名:ニワトコ
   学名:Sambucus javanica 和名:ソクズ


オヘロベリー Ohelo berry

 学名:Vaccinium reticulatum
 科属::ツツジ科スノキ属
 分布:ハワイ固有種。
 事項:高度640〜3700mの溶岩と火山灰で成長。高さ0.1〜1.3m程度で常緑樹、花は釣鐘状で赤から黄色またはピンク。
     果実は径8〜14mmで色は青から紫、赤、オレンジ、黄色。

Vaccinium reticulatumの花と果実

 同じくMyrtillus節に属するハワイ固有種としては学名:Vaccinium calycinum、学名:Vaccinium dentatumがある。


Vaccinium calycinumの蕾と果実


オソベリー osoberry

 学名:Oemleria cerasiformis
 科属:バラ科サクラ亜科オエムレリア属
 和名:
 分布:北米太平洋沿岸
 事項:〜5m程度の低木。果実は小さなプラムのようで食べられ、1cm前後の大きさで若いときはオレンジから黄色で熟すると暗い青色。

Oemleria cerasiformisの果実  Oemleria cerasiformisの花


オラリーベリー olallieberry

 キイチゴ属でのローガンベリーとヤングベリーの交配種。
 ローガンベリーとヤングベリー自体がブラックベリー、ラズベリー等の交配種。
 2/3がブラックベリーで1/3がラズベリー。ブラックベリーのような外観。

*キイチゴ属の交配種





 キイチゴ属の主な交配種(ベリーとつくもの)
  オラリーベリー
  キングスエーカーベリー
  コタタベリー 
  サンティアムベリー
  サンベリー
  シルバンベリー 
  タイベリー 
  チェハレムベリー 
  トゥンメルベリー
  ニューベリー 
  ネクターベリー 
  ネスベリー 
  バイチベリー
  パープルラズベリー
  ヒルダベリー
  フェノメナルベリー
  ボイセンベリー 
  マリオンベリー
  ヤングベリー 
  ラクストンベリー
  ローガンベリー
  ローベリー
  ワイベリー

 交配種の多くは匍匐性のブラックベリーである。


オレンジベリー orangeberry

  学名:Glycosmis pentaphylla
  科属:ミカン科ハナシンボウギ(グリコスミス)属
  別称:ギンベリーgin berry、中国名:山小橘
  分布:南東アジア、北オーストラリア
  事項:果実は食べられピンク色。

 Glycosmis pentaphyllaの木と花と果実

 日本で見られるハナシンボウギ(グリコスミス)属
  学名:Glycosmis parviflora
  科属:ミカン科ハナシンボウギ(グリコスミス)属
  和名:ハナシンボウギ
  分布:南中国、南日本、ミャンマー、ベトナム
  事項:2〜3mmの低木で果実は1cm程度の大きさ。

Glycosmis parvifloraの果実



            
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